自分の部屋に入ると、足音を立てず、気配を消して隣室へと続く扉へ向かった。

 最初は気がつかなかったけれど、わたしの部屋は公爵のいる主寝室の続き部屋であることに気がついた。

 その扉に近づき、耳を扉にくっつける。

 公爵の部屋から、コトリとも音がしない。

 駐屯地ではしゃいでいたのは、わたしだけではない。

 公爵だってずいぶんとはしゃいでいた。

 彼は、わたしのお守りをしなければならなかった。疲れているにきまっている。