「ハハハッ! これは驚きました。ねぇ、閣下?」
「ああ、リチャード。驚いたよ。ミユが目を白黒させるところを見たかったのに」

 ハミルトン似の料理人、それから公爵。二人して楽しそうに笑っている。

「ええ、レディ。あなたのおっしゃる通りです。これまで、初対面で見破られたことはなかったのに。驚いていただけなかったことは残念です。あらためまして、この駐屯地とこの田舎レストランの厨房を預かっていますリチャード・ブロックです。ハミルトンは、双子の弟です」

 やっぱり双子ね。

 リチャードが手を差し出してきたので、彼と握手を交わした。