「……と言う事なんだ」


「殿下、なんでそんな遠回りなことを……直接お話をするようにと何度も言っていますでしょう!」

 側近の一人が呆れたように言った。


「まさか手紙を置いた日に席替えがあったなんて思わなかった。いつもの通り、伝令係に届けさせるとするよ。もうすぐ私とセリーナが出会って十年のアニバーサリーだ」


「その気持ちを早くセリーナ様にお伝えしてください」


「努力する」


「手が止まってますよ」


「悪い。今日の分は今日中に終わらせないとな」


「良い心がけです」



 執務はしっかりやる男ジェフェリー