昨日は大臣がジェフェリー様の執務室に来てお話をされている様子を見ますと、お仕事も優秀なんだと見ていて嬉しくなりました。


 思っていたより安く上がった工事費で市民の教育の場を増やすと言う話をされていました。例の教会を参考に下見へ行くとのことでしたわ。学びたい市民のために教育の場を設けるなんて素敵なことですもの。


「セリーナ、聞いて欲しい事がある」

 急に真面目な声のトーンになりました。


「はい」


「セリーナに足を引っ掛けたあの生徒の話なんだけど」

 ジュリアナ様? あれ以来学園はお休みしているのでその後の事は知りませんでした。


「ジュリアナ様がどうかされましたの?」


「学園を退学になった」


「まぁ! まさか! まさか私のせいで……」


 カトラリーを置きました。私の行動で一人の人生を変えてしまう事になるなんて……ジュリアナ様は優秀な方ですから、将来は王宮で働いていたかもしれませんのに……王宮は憧れの職場ですもの。