その3


ここで、4人は三浦美咲の対処について、具体的な段取りに入った。

「何しろ、くびれ柳のある高校の許可がとれるかどうかですよね。どうですか、和田さん」

「鷹山さん、はっきり言って、まともに許可を仰いでもまず無理です。少なくとも時間がかかる。彼女には時間がないんだし、雨の降ってる夜とかに、なるべく目立たず短時間で断行するしかないでしょう」

「ふふ…、いきなり現役の先生から何とも大胆な提案ですが、野坂先生も同じ考えでしょうか?」

鷹山はやや笑みを浮かべながら、奈緒子に振った。

「ええ、私もそれしかないと…」

奈緒子がためらわずそう答えると、他の3人は苦笑交じりの顔になっていた。
だが、それは感嘆をこめた、好意的なものであったが…。


***


「…では、国上さん、このやり方なら、30分から40分程度で済ませられるんですね?」

和田は、くびれ柳への措置では、施術に要する時間を可能な限り短縮できる方法を国上に求めた。

「なんとかやれるでしょう。人数も最小限の私と和田さんの二人で構いません」

「ありがとうございます。まあ、校門前の見張りも必要だから、それはこちらで段取りしますんで。是非、お願いします」

国上は無言で頷いた。

「それでは、具体的な決行日程を組みますか…」

鷹山がそう切り出したその時だった…。


***


”プルルーン、プルルーン…”

和田のスマホに着信が届いたのだ。

「ああ、ちょっとすいません…。ん?…奈緒子さん、手嶋だ!」

「えっ?…手島先生から!」

二人は顔を見合わせ、同時に同じ予感を抱いていた。

”もしや…、三浦美咲…”と…。