その2


和田:ふう…、ゲームか…。まあ、そういった視点でヤツが言う一大プロジェクトってんなら、そこの攻略点を何としても突いていきましょう。それで、三浦美咲には具体的にどう進めます?呼び寄せ夢を見た時の対処はどのように?

国上:具体的に申しましょう。まず、彼女が3回目の予兆夢を見終わったら、彼女には電磁波を出す装具をつけて断眠してもらいます。その上で、私が彼女の家に待機し、睡眠状態に入る段階で言葉と弱い電流ショックで、夢の中の彼女を”誘導”します。

奈緒子:なるほど‥、その誘導で、目をつぶって手紙を読まないとか、手紙を破くとか…。そんなイメージですか?

国上:そんなイメージです、奈緒子さん(笑)


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和田:国上さん…、ひとつ、それでお願いします。何としても、彼女を呪いの輪から解放してやって下さい!

国上:まあ…、これも今日のお二人の”成果”があったから決断できるまでに至ったんです。しかし、やはり確率からすると、絶対とは言えない…。そこで、これも今日考えに及んだんですが、この際、鬼島の波動を機能させる、あのくびれ柳を排除しようかとね。

鷹山:本当にやるんですか、国上さん?

国上:鷹山さん、この文面で強く感じたのは、鬼島の望む形は流動性だということです。突破性じゃない。そこで、彼は1次エネルギーを、浮遊分もストックしてると思うんです。いろんな局面用として…。ならば、くびれ柳のキャッチ・ポイントには、鬼島の全エネルギーは施していないから、消耗度は高いと。やってみる価値はあるとね。


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和田:その場合、柳を抜根とかですか?それともいわゆるお祓いですか…?

国上:まずは掘削です。手紙が入ったカプセルは、鬼島が実際に埋めたと思うんです。それを排除して浄化祈祷を捧げます。木は敢えてそのままでよろしいかと。これにはいろんな想定が含まれてますので、トータルという視点です。うまくすれば、他百夜殺しの呪いの最中にいる他の人も救えるかもしれないし…。

奈緒子:これで、”絶対”と考えてよろしいですか?

国上:100%とはやはり言えない。しかし、絶対のつもりで取りかかります。無論、他の方策を考えていくことも怠りません。

和田:そうなると、鬼島との第1ラウンドは、三浦美咲を呪いから救出だせるか否かってことですね…。

鷹山:そう言うことになりますね。