その7
”びゅんびゅんびゅん…”
その空間では、風自体もその作用を拒絶されているのに、柳の枝が一斉にざわめき出していた。
そればザワザワの感じではなく、しなるムチのように無音でびゅんびゅんと唸るようだった。
それは巨大な女性の長い髪の毛が、意思を持った生き者のよう威嚇している形容そのもので、その無数の枝は美咲の意識に向かって刺すように飛んできた。
”きゃー!刺される…!!”
「国上さんー!!」
ベッドの上の美咲は、もはや目を閉じてはいても、その発する言葉は起きている時と寸分の違いもない明快なもので、奈緒子と国上へは”正確”に届いていた。
「それは恐怖感を煽る威圧だ。大丈夫だと断言してやって、奈緒子さん。ここで向かう気持ちが萎えたら終いだ。あっちのパワーはそこ止まりだから、あなたも気を強く!」
「は、はい…」
「…美咲ちゃん!私にも見えるわ。でも、ここまでは届かない。あんなもの怖れちゃダメよ!さあ、私と一緒にカプセルの中の紙を破くのよ!ビリビリにしたら、みんな消える。一緒におうちに帰りましょう!!」
奈緒子はここへきて、苦手な範疇のハッタリ気味のアドリブを連発した。
そんな汗だくで無我夢中な奈緒子の思いを改めてすくい、”霊能力者”国上の念じ祈祷は最高テンションに達しようとしていた。
***
「ナムソカナンザラ、ハマラニハラマ…」
”もう間もなくだ…。作業堂も同時触発で顛末を現す。すべて同時でエネルギーを隔断する。奈緒子さんの反応を判断起点にして…”
国上はいよいよ、呪われ手を鬼島の呼び寄せ夢からひっぱり戻す最終段階に突入したと断定した。
「美咲ちゃーん、もう周りは無視して!中をあけたら、私と一緒に破り捨てる。いいわね‼」」
「うん!やる、私…。怖いけど。先生が一緒ならやれる…」
ベッドで腰を下ろし、今までぶらんと下げ切っていた両手のうち、右手のひらをゆっくり、自らの右肩に乗せた。
いや、その肩に添えられていた奈緒子の手の上にであった…。
”びゅんびゅんびゅん…”
その空間では、風自体もその作用を拒絶されているのに、柳の枝が一斉にざわめき出していた。
そればザワザワの感じではなく、しなるムチのように無音でびゅんびゅんと唸るようだった。
それは巨大な女性の長い髪の毛が、意思を持った生き者のよう威嚇している形容そのもので、その無数の枝は美咲の意識に向かって刺すように飛んできた。
”きゃー!刺される…!!”
「国上さんー!!」
ベッドの上の美咲は、もはや目を閉じてはいても、その発する言葉は起きている時と寸分の違いもない明快なもので、奈緒子と国上へは”正確”に届いていた。
「それは恐怖感を煽る威圧だ。大丈夫だと断言してやって、奈緒子さん。ここで向かう気持ちが萎えたら終いだ。あっちのパワーはそこ止まりだから、あなたも気を強く!」
「は、はい…」
「…美咲ちゃん!私にも見えるわ。でも、ここまでは届かない。あんなもの怖れちゃダメよ!さあ、私と一緒にカプセルの中の紙を破くのよ!ビリビリにしたら、みんな消える。一緒におうちに帰りましょう!!」
奈緒子はここへきて、苦手な範疇のハッタリ気味のアドリブを連発した。
そんな汗だくで無我夢中な奈緒子の思いを改めてすくい、”霊能力者”国上の念じ祈祷は最高テンションに達しようとしていた。
***
「ナムソカナンザラ、ハマラニハラマ…」
”もう間もなくだ…。作業堂も同時触発で顛末を現す。すべて同時でエネルギーを隔断する。奈緒子さんの反応を判断起点にして…”
国上はいよいよ、呪われ手を鬼島の呼び寄せ夢からひっぱり戻す最終段階に突入したと断定した。
「美咲ちゃーん、もう周りは無視して!中をあけたら、私と一緒に破り捨てる。いいわね‼」」
「うん!やる、私…。怖いけど。先生が一緒ならやれる…」
ベッドで腰を下ろし、今までぶらんと下げ切っていた両手のうち、右手のひらをゆっくり、自らの右肩に乗せた。
いや、その肩に添えられていた奈緒子の手の上にであった…。



