その4
”野坂先生なの!先生なのね。…先生は私のそばで一緒に言てくれてるの?”
”ワタシハ、スグ、ソバヨ‥。テシマセンセイ…ヤ、クニカミサン、ミンナ、アナタヲミマモッテル…”
”先生…、私、柳の木と混じってる人に掘らされてる。止まらないよ、柳の下の私…。どうしたらいいの?…あっ、何か掘り上げちゃったよ!”
美咲は、ついにくびれ柳を媒体とした鬼島の誘導に沿って地中からカプセルらしきものを二つ掘り起こしてしまったようだった…。
その彼女は泣いていた。
無論、無音で。
そして、野坂奈緒子と”語りあっている”自分は、その自分を柳の木の真上から見下ろしている感覚だ。
その彼女はまさに、柳から発するコトバに催眠術をかけられたように、言うがままの行動をとるしかない。
美咲の意識が捉えた、自分のその図がらは、なんとも物悲しいものであった。
***
”ソレ、アケロ。ナカ、ヒラケ。…ナカ、トリダセ…”
声なき声の非情な命令は、柳の下の美咲へさらに下っていた。
”開けろって言ってる、アイツ…。”私”、言われるままだわ!”
この時点での美咲の音なき絶叫は、自分にではなく、自然とそばに居てくれるはずの奈緒子に向かって発信していた。
”…コバムノヨ、ミサキチャン、イワレルママノ…、自分に拒ませるのよ!あなた自身が!”
もう美咲の意識には、奈緒子の声が、半ば感情までが伝わり届いていた。
”そうよ!私が拒むのよ、アイツを!”
美咲はそう、二つの自分に言い聞かせた。
それは、双方への宣言でもあった。
***
「美咲さん、開けさせられちゃうわ!国上さん、どうすれば…!」
美咲の両肩ぎゅっと握ったまま、奈緒子は慌てて首を後ろに向け、国上にそう怒鳴った。
もう彼女の顔からは、汗がだらだら流れていた。
「奈緒子さん、落ち着くんだ。ここまできたら、カプセルを開け、中の”紙きれ”をとり出したところで破り捨てるようにもっていこう。たぶん、美咲さんはあなたがそばに寄り添ってくれてることをはっきり認識してると思う。強く訴えるんです!体を揺りながら…」
「じゃあ、私はどうやって彼女に伝えれば…」
彼女は息を荒げ、その目は国上にすがり着くようだった…。
”野坂先生なの!先生なのね。…先生は私のそばで一緒に言てくれてるの?”
”ワタシハ、スグ、ソバヨ‥。テシマセンセイ…ヤ、クニカミサン、ミンナ、アナタヲミマモッテル…”
”先生…、私、柳の木と混じってる人に掘らされてる。止まらないよ、柳の下の私…。どうしたらいいの?…あっ、何か掘り上げちゃったよ!”
美咲は、ついにくびれ柳を媒体とした鬼島の誘導に沿って地中からカプセルらしきものを二つ掘り起こしてしまったようだった…。
その彼女は泣いていた。
無論、無音で。
そして、野坂奈緒子と”語りあっている”自分は、その自分を柳の木の真上から見下ろしている感覚だ。
その彼女はまさに、柳から発するコトバに催眠術をかけられたように、言うがままの行動をとるしかない。
美咲の意識が捉えた、自分のその図がらは、なんとも物悲しいものであった。
***
”ソレ、アケロ。ナカ、ヒラケ。…ナカ、トリダセ…”
声なき声の非情な命令は、柳の下の美咲へさらに下っていた。
”開けろって言ってる、アイツ…。”私”、言われるままだわ!”
この時点での美咲の音なき絶叫は、自分にではなく、自然とそばに居てくれるはずの奈緒子に向かって発信していた。
”…コバムノヨ、ミサキチャン、イワレルママノ…、自分に拒ませるのよ!あなた自身が!”
もう美咲の意識には、奈緒子の声が、半ば感情までが伝わり届いていた。
”そうよ!私が拒むのよ、アイツを!”
美咲はそう、二つの自分に言い聞かせた。
それは、双方への宣言でもあった。
***
「美咲さん、開けさせられちゃうわ!国上さん、どうすれば…!」
美咲の両肩ぎゅっと握ったまま、奈緒子は慌てて首を後ろに向け、国上にそう怒鳴った。
もう彼女の顔からは、汗がだらだら流れていた。
「奈緒子さん、落ち着くんだ。ここまできたら、カプセルを開け、中の”紙きれ”をとり出したところで破り捨てるようにもっていこう。たぶん、美咲さんはあなたがそばに寄り添ってくれてることをはっきり認識してると思う。強く訴えるんです!体を揺りながら…」
「じゃあ、私はどうやって彼女に伝えれば…」
彼女は息を荒げ、その目は国上にすがり着くようだった…。



