スウィートメモリー💝

「愛來?! 危ないよどうしたの?!」



亜季がいない。

その事に気がついた私は,大きな衝撃を受けて。

混乱のままカバンを掴み,走り出した。

机にぶつかってしまいそうになって,私に気づいたあずみにも,今は言葉を返せそうにない。

どうして……?

私が,ずるくてカッコ悪くて,ひどいことを考えながら今日の覚悟を決めたから?

直前になって,やっぱり愛來じゃ嫌だって思ったの?

それとも……女の子に呼び出されたのだろうか。

本当に,帰っちゃっただけなのかもしれない。

もう,ほんっとうにばか!

ちゃんと心を決めてきたはずなのに……

亜季その事なんてそっちのけで,ずっとチョコを見てたから。

ちゃんと渡したいのに。

せめて一言,卒業する前に伝えたいのに。

亜季,まって。

お願いだから,近くにいて……!