スウィートメモリー💝

放課後になると,私は不安で一杯だったことに気がついた。

今日……亜季と一言も喋ってない。

告白すると言うのだから,亜季の顔すら見ていない。

同じクラスなのに。

亜季はきっと,ずっと前から私の気持ちなんてお見通しで。

それなのに,あんな風に約束をした亜季はちょっぴりずるくもあって。

もう,何に起因するどきどきなのか,全く分からなくなっちゃうんだ。

カバンで隠すように手を入れて,自分のチョコレートを見つめる。

チョコを溶かして,元の固形に戻しただけ。

私がしたことを思い返せば,そんな切ない説明になった。

今日は,渡すのやめようかな……

今からでも作り直して,後日にするべきかな……

もう中3なのに,こんな小学生みたいなチョコを渡して,幻滅されたくない。