『大丈夫そ?』
昼休み。
あずみの声は,耳を塞いでうつ伏せているせいでくぐもって聞こえた。
もぞもぞと起き上がる。
何が大丈夫そうかって,亜季がいないこと。
もっと言えば,教室の半分の女子もいないこと。
私は,放課後とかに渡すんだって勝手に思ってた。
だって,今いなかったら色んな人にバレちゃうから。
そしたら,どの子が一体だれにって,沢山言われてしまうでしょ?
だけど……以外と私の学校の女の子は気にしないみたいで……
皆堂々と可愛いラッピングの箱や袋を持って,『きゃ~!』と友達と照れつつ笑いつつ,教室を出ていってしまった。
亜季がいないのも,きっと誰かに呼ばれたからで……
そもそも私は,とろとろと給食を食べていたせいでいつから亜季がいないのかも分からないのだ。
不安にもなる。
あずみも興味なくて見ていなかった,なんて言うし……



