キミと世界が青めくとき 【完】




今日も気温は高いけれど、時折吹く風が丁度よい体感を作ってくれる。



「ちょっと水触ってきてもいいですか?」

「いいよ。ていうか俺も行く」



そう聞けば先輩は、わたしよりも先に波打ち際へと掛けて行って、チノパンの裾を踝まで捲ると履いていたサンダルのまま海へと足を踏み入れた。



「先輩っ!?」

「はは、つめてー!」

「狡いです、わたしも入りたい」

「でも澄は靴濡れると困るだろ?」

「っじゃあ先輩も入らないでください!」

「やだ」



自慢する様にして足をバチャバチャさせる先輩に羨ましさを感じるも、わたしは先輩の様にサンダルではないし、換えの靴下だって持ってきていないから仕方なく、波打ち際ギリギリにしゃがんで寄せる波の中に手を入れた。



「っ冷た、」

「冷たくて気持ちーな」

「はい」



海の水はとっても冷えていて、気持ちいい。

そして当然だけれど、こんなに真っ青なのに掬った水は透明だった。

不思議すぎる。



「泳ぎたくならない?」

「泳ぎたいというよりは、プカプカ浮いていたいです」

「わかる。空見ながらゆったり浮かんでたい」

「気持ちいいんでしょうね」

「この前行った時は思いっきり泳いだからなー。あそこまで競走だとか言って友達とデットヒート繰り広げちゃったし」

「それはそれで楽しそうです」



ザザッという波音と、楽しそうな先輩の声。

そして手元からは癒しの水音。



「澄、」



しゃがみながら手をユラユラ揺らしているとふいに名前を呼ばれ顔を上げた。


瞬間に飛んできたのは、水しぶき。