キミと世界が青めくとき 【完】




電車に揺られること約二時間。


着いたのは隣の県にある海辺だった。



「ちょっと遅いけど先に昼飯を食べよう」と言われ、海辺のすぐ側にあるハンバーガーショップへと入った。

恋人の多い店内から見るに、やってくる層はカップルが多いらしい。この海は海水浴で賑わうというよりもデートスポットとしてよくテレビなどでも取り上げられていた。


どうしてこの海岸に連れて来てくれたのだろうという疑問はハンバーガーを大口を開けて食べている先輩によってすぐに解決した。



「ここね、夕日が有名なんだって」

「夕日?」

「そ。どうせなら青い海と、オレンジに染まる海もおまけで見れたらいいなーって」



まさか昼間の海だけじゃなく夕日のオレンジ色に染まる海も見せてくれる予定らしい。

夕日というロマンチックなものから連想して、恋人が多いのも頷ける。

それに、夕日を見るために待ち合わせが一時頃だったのも、だから少し遅めの昼食になった事も辻褄が合う。



実際の青い海をこの目で見るのは何年ぶりだろう?家族で旅行に行っていたのも小学生までだから、五年近くは見ていないことになる。

ハンバーガーショップのテラス席は満席で、店内の奥の席に案内されてしまった為、中から海を見る事は難しいけれど、お楽しみは後に取っておけとも言うし。



「⋯あの、知春先輩、」

「ん?」

「海、楽しみですね」



なんだか照れくさくてすぐにハンバーガーに齧り付いたわたしに先輩は「そうだね」と言って笑った。