キミと世界が青めくとき 【完】




駅前に着くともう先輩はいて、その姿を見つけて慌てて駆け寄った。



「すみません、お待たせしてしまって⋯」

「まだ約束の十分前じゃん」

「でも待たせてしまったことには変わりないです。それにわざわざわたしの最寄りを待ち合わせ場所にして頂いたのに⋯」

「気にしなくていーって。それよりちゃんと来てくれて良かった」

「どういう事ですか?」

「ドタキャンされたらさすがにショックだから」



そう言った先輩は「とりあえず駅の中に行こう」と歩き出す。


⋯ドタキャンなんてするわけない。

あのファミレスの日からずっと、楽しみにしていたんだから。

ラフなTシャツにチノパンというスタイルの先輩の後を追い掛けた。



駅の構内に行き、予定より一本早い電車に乗ることになった。


夏休み中といえど、電車の中はそこまで混んではいなかった為、座る事が出来た。

周りを見れば同性の友達同士や、恋人らしき人達がいて。

隣同士に座ったわたしたちは傍から見たらどんな風に見えるのだろう?と純粋な疑問が湧いてくる。


友達同士に見えるのかな。それとも恋人⋯?

もしかして兄妹⋯はないか。


なんだかあまりにもわたしと先輩は雰囲気が違うせいで、どれもしっくりこなかった。


考えれば考えるほど、どうして先輩はわたしなんかと友達になってくれたんだろうと不思議になる。

だって先輩は容姿も整っていれば、友達だって多いだろう。それに比べてわたしは⋯例えるなら陰と陽だ。

もちろんわたしが陰で先輩が陽。



「⋯さっきから何?」

「⋯っ!」

「あんま見つめられると落ち着かないんだけど?」



色々なことを考えながら隣に座る先輩を見つめすぎていた様だ。

落ち着かないと言った割りにはその表情は楽しそうに緩んでいる。



「まーたなんか変なこと考えてたの?」

「変なこととは⋯?」

「どうして先輩はわたしなんかと友達になってくれたんだろう?ってところかな」

「っ!?」

「あはは、意外とキミってわかりやすいんだよなあ」



まさかの考えていた事を的中され、ビックリするわたしを先輩はゲラゲラと笑った。