キミと世界が青めくとき 【完】


途中味のしなくなった冷製パスタを食べ終えて、チョコレートパフェを注文する。

わたしはいいと断ったのに無理やり先輩が注文したパフェは何故か注文した先輩ではなくわたしが食べなければいけないらしく、細長いスプーンでコーンフレークとチョコ、ホイップを救って頬張りながら、さっき先輩が改札口から出てきた事を思い出した。



「どこかに出掛けていたんですか?」

「友達の家に泊まりに行った帰り」

「お泊まりですか?」

「受験に備えた勉強会ってやつ」

「の割に先輩の荷物、凄く軽そうですよ」

「まあ、それは建前で本当は徹夜で桃鉄やってたんだけど」



アハハと笑う先輩の目の下には、よーく見ると薄らとクマが出来ていた。



「この辺が地元なんですか?」

「いや?最寄りは二個先なんだけどここの駅前って栄えてるじゃん、腹減ったから駅前で何か食べよーって時にたまたまキミがいて」

「そうだったんですか⋯」



地元がこの辺だとしたらもしかしたら、同じ中学に通っていた可能性があったけれど二駅先ならその可能性はなくなる。

ホッとしたのはまだ先輩が凛の存在を知らないと思う事が出来るから。


そんなわたしの心中なんて知る由もない先輩が「澄は夏休み中何してたの?」と呑気な声を出すからわたしは思わず手にしていたスプーンをグラスにぶつけてしまった。


コツン、と小さな透明感のある音がして、唾を飲み込んだ。



夏休み中何してたの?なんて、先輩が言うセリフだろうか?