キミと世界が青めくとき 【完】


やはり慣れない事はするべきではないなと思いながら、いつもの様に図書館へ向かう。

燦燦と降り注ぐ陽の光は、アスファルトを灼熱へと変えている。


今日も今日とてとても暑い。


朝見た天気予報では37度越えだと言っていた。

蝉の鳴き声に煩わしさを感じながらも出来るだけ木の近くで日陰に入りながら歩いた。



二十分ほどして辿り着いた図書館のドアを潜れば、そこは外と同じ世界とは思えないほど涼しくて、ひんやりとした空気に一気に脱力してしまいそうになった。

ガンガンと冷房を効かせているのか、むしろ少し肌寒いくらいの館内はこれまた外の蝉の鳴き声が一切遮断されて静かだ。



吹き出た汗をハンカチで軽く拭って、いつもわたしが座っている窓際のカウンター席へと向かう。コツンという足音さえも響いてしまう程に静かな空間がわたしはやっぱり好きだと思った。



今日はどんな本を読もうかなと考えながら席まで歩いている途中でたまたま目に入ったのは、<枕草子>。

「現代語訳付き」とタイトの右上に吹き出しで書かれているその本は、清少納言の随筆、枕草子を現代語訳した本らしく、有名大学の教授が監修を務め執筆したものらしい。



「こういう本はあんまり読んだ事ないな⋯」



歴史小説は読んだことはあるけれど、この様な本は読んだ事がなく、少し興味をそそられる。

むかーし枕草子を読んだ時は難しすぎてよく理解出来なかったけれど現代語訳付きならわたしでも読めるかもしれないとその本を手に取った。


和テイストながらも「今に通じる!」と書かれている表紙は、比較的入りやすそうで、今日はこの本を読むことにしてカウンター席へと向かった。