翌朝、凛と一緒に電車に乗り目的の場所へと向かう。


隣町にあるBBQ会場は川辺にあって、ゴールデンウィークや夏休み期間になるとBBQを楽しむ人やキャンプをする人で賑わっているらしい。


もちろんBBQなんて初めてするわたしは何を持って行ったりすればいいのかわからなくて、持参するものはあるのかと凛に聞いたら「先輩も来るし、荷物は男子たちが用意して持ってきてくれるから女子は手ぶらでオッケーなんだよ~」と言われ、小さなポシェット一つで家を出た。

どうやらグリルや食材は男子たちが用意してくれるらしく、その他にも先輩が来るらしくて男子たちは先輩の車に乗ってBBQ会場まで来るみたいだ。



「あ、用意はしなくて大丈夫だけど一応一人2000円の会費だからそれはよろしくね、お姉ちゃん」

「会費って、」

「ま、じゃんじゃんお肉食べちゃえば安いもんでしょ」



ガタンゴトンと揺れる車内で、隣の座席に座る凛が催促する様にして手のひらを差し出す。


一般的に2000円というのは高いのか安いのかよくわからなかったけれど、わたしからとったら高いと感じてしまった。

それはお小遣いが足りないとかいう理由ではなく、あまり乗り気ではないBBQに2000円払うという事が勿体ない気がして。


だけど最終的に参加してみようと思ったのはわたしだし、そこに文句をつけるのはおかしい。



ポシェットから折りたたみの財布を取り出してそこから2000円を出した。