それがどうしてなのかなんてわからない。
わからないけど、もしかしたら、図書室に行っていれば良かったと思ったせいかもしれない。
感想ノートに返事が来ているかを確認して、昨日読み終えた本の感想を書く。そして好きな本を読んで、わたしだけの世界に浸る。
隣にはヘラヘラ笑う先輩がいて、なんて事のない話をして時間を過ごす。
その方がよかった。
そうしていればこんな風に傷付いて落ち込む事も、後悔する事もなかった。
広大は好きな人のはずなのに、その広大といるよりずっと、そうして時間を過している方が良かったと思ってしまう。
「─おい、澄?」
「っ、」
「どうした?ボーッとして」
「⋯べつに何でもない」
「ならいいけど、早く買うもん選べよ」
そう言って店の中へと入っていく広大の後ろ姿を見つめながら、心がざわついた。



