そもそも金欠だと文句を言うなら辞書を借りなければいいのに⋯と思うけれどこのお礼に不純な気持ちを持ってしまっているわたしにはそれを言う事が出来なかった。
例えお礼だとしても、こうやって気持ちが沈んでしまったとしても、凛を抜きで広大と過ごせる時間が嬉しかったから。
───────なのに、どうしてだろう。
ほんの少し前まで広大に何を言われても一緒に過ごせるならそれは嬉しい時間だったはずなのに、今はちっとも嬉しくもなければ楽しくもない。
広大のこんな態度には慣れっこなのに、今は簡単に落ち込んでしまう。
嫌な事を言われて、嬉しくも楽しくもないなら広大の言う通り図書室へと行っていれば良かったと思った。
そう考えたら、足が鉛のように重くなった。
「───────澄」
色々考えていたらコンビニに着いていたらしく、自動ドアを通ろうとしている広大が入口付近で足を止めたわたしを不思議に思い名前を呼ぶ。
その声が何故か、知春先輩の声に聞こえた。



