「しゃーねぇ。帰りにアイス奢ってやる」
「こんな雨の日に?」
「アイス食うのに天候なんて関係ねぇだろ」
広大はそう言うけど、むしろアイスを食べる事に天候は関係大アリなんじゃない?と思ったけれど「じゃー放課後なー」と背を向けて歩き出した広大に口から出かけていたその言葉を飲み込んだ。
「っ待って広大!辞書!」
「あ、そうだった」
けれどハッと、まだ広大に辞書を貸していない事に気付き慌てて引き止めてから教室へと戻りロッカーに仕舞ってある英和辞典を広大へと渡す。
「さんきゅー。次の休み時間返しに来るから」
「うん。次こそはちゃんと持ってくるんだよ」
「はいはい」
これはまた次も借りに来るなと確信しながらも、お礼と称した広大との時間を過ごせるのなら辞書くらいいくらでも貸してあげると思った。



