キミと世界が青めくとき 【完】



「かわいー後輩だな、お前」

「生意気なこと言ったと思うんですけど」

「でもそれを気にしちゃって素直に謝るのは先輩からしたら可愛いなって思うわけよ」

「⋯そもそも先輩が発言を変えるからですもんね」

「その通りだけど、照れて素直にありがとうございますって言えない性格なのな、澄は」

「照れてないですけど」

「うん、そーだわ」



知春先輩は、なんというか気まぐれな風みたいな人だ。

よくわからないけど、時折わたしの心をざわつかせたりする。それなのにたまに心を穏やかに撫でたりする。


照れてるって言ったり、否定したわたしを肯定したり。

先輩はよくわからないのに、それが嫌じゃない。自由気ままな風の様な先輩は嫌いじゃない。



「先輩のその瞳の色って自前ですか?」

「は、自前ってお前ウケんね」

「生まれつきですか?」

「クスリとも笑わないじゃん」



「前みたいに笑ってみ?」と言う先輩には内緒だけど、先輩と話している時わたしは結構な頻度で笑っている自覚がある。

それはわたし比率でって意味だから普通の人と比べたらあまり笑っていないんだろうけど、このゆるゆるな先輩の前では釣られるようにわたしも緩んでしまって、あ、今わたし笑ってる⋯って驚くこともあるくらいだし。



「澄にだけ教えてあげるけど、これカラコン」

「そうなんですか?」

「嘘。自前自前、生まれつき」

「⋯どっちですか」

「どっちか当ててみ?ほら」



そう言って隣に座っていた先輩がズイッとわたしの顔へとその整った顔を近付ける。

ふわりと香るのは、人工的ではない匂い。



色白でキメの細かい肌に、長いまつ毛と、色素の濃い唇は妖艶さを感じる程で、やっぱりその顔立ちは相当整っている。