「お姉ちゃんまぁーた本読んでる」
ペチペチと肌に化粧水を吸い込ませている凛がベッドで横になりながら本を読むわたしを見つけて声を出す。
「もうさぁ、本を読むのもいいけどたまには友達と遊んだりしなきゃ!せっかくの女子高生なんだよ!?」
「わたしは友達と遊ぶよりこうしている方が楽しいよ?」
「だとしても!友達と遊ぶのだって楽しいよ?お姉ちゃんは友達と遊んだりしないからわかんないだけで」
「⋯そんな事言われても」
確かに、わたしには友達が少ない⋯というかいないと言っても過言ではないし、友達と遊ぶなら本を読んでいたいとも思う。
だけど凛の言う通り、友達と遊ぶという行為を久しくしていないからその楽しさをわたしはわからない。だから凛の言葉を否定はしない。
けど⋯、やっぱり乗り気にはなれなくて。
「お姉ちゃん彼氏とかいないの~?」
間延びした凛の声にドキリとした。
「なんでいきなりそんな話題に⋯」
「いきなりじゃないし。彼氏でも作ればお姉ちゃんももう少しは外で遊ぶようになるかなって」
「余計なお世話だよ。わたしは引き籠もりじゃないし」
「まぁまぁ。でもさ、彼氏出来たら本当に楽しいよ?」
「⋯そうなんだ」
「そうなんだって⋯。ねね、お姉ちゃんは好きな人とかいないの?」
こういう話題は苦手だ。
だって、広大の事が好きだって気持ちはわたしだけの秘密だから。



