キミと世界が青めくとき 【完】



そんな事を思い出しながらベンチに座りお弁当箱を開く。

毎朝お母さんが作って持たせてくれるお弁当。

凛のついでだとか思わない。

お弁当箱の中にはわたしの好きな甘い玉子焼きも入っているし。

ちゃんと、愛されている。

そうわかっているのに、こうしてお母さんが持たせてくれるお弁当にはわたしへの想いも込められているはずなのに、やっぱりわたしは凛への劣等感が拭えない。


愛してくれているけれど、きっと凛の方が親としては誇らしいし愛しいんだろうなって。

可愛くない事ばかり考えてしまう。


でもこんなわたしの人格を作る一端を担ったのは両親なんだからって、また人のせいにして閉じこもる。


いつもそうだ。

物語の世界に入っていない時わたしは常に卑屈になる。

それが嫌なのに苦しいのに、直すことが出来ない。



甘い玉子焼きを齧りながら、古びた旧校舎の壁をぼうっと眺める。


これもまた、わたしの毎日を作り上げる日課だ。