キミと世界が青めくとき 【完】


これ以上二人といると自分が惨めに思えてくるから。自尊心を守る為に二人から逃げた。

こういう事はよくある事で。

わたしは何かある度にこうして二人から離れて逃げるのだ。

逃げてばかりの自分が情けないと思う。

だけどわたしは逃げることしか方法を知らない。


よくある事だから凛も広大も一瞬は引き止める様な声を出したけれど追いかけてきてくれる事もなければ本当に引き止めてくれる事もない。

どうせ「広大が怒らすから~」とか「凛のせいだろ!?」とか下らない事をヘラヘラと言い合っているのだろう。


結局わたしは寝不足丸出しの顔と陰鬱な気持ちで学校へと向かったのだった。





朝のHRが始まるまでの時間で本を読む。

昨日と同じ恋愛小説だ。

昨夜遅くまで読んでいたけれど読み切れなかった分を放課後までに読み切ることを目標にページを捲る。

元々、本を読むペースは早くも遅くもなかったわたしだけど最近はなるべく一冊読み切るペースを上げたいと思っている。

速読とかそういうのを目指しているわけではなく、内容に浸りながらもたくさん本を読みたいっていう純粋な気持ちからそう思うようになった。

だって読みたい本はまだまだあるから。

好きな作家の新作も、古い文芸も。

まだまだわたしの知らない世界が溢れているから。



────だけどちょっぴり、不純な動機もあって。



感想ノートに届く返事が楽しみになっている今、もっとその人と感想ノートでのやり取りを交わしたいって気持ちもある。

だけどその人は感想を書くのではなくわたしの感想に対する返事を書いているだけ。だからわたしが感想を書かなければ当然、その人の書き込みはないわけで。

わたしが感じた事を誰かに話す事は苦手だけど、楽しいっていう感情を誰かと共有したい気持ちはどれだけ根暗な人間にだって存在するわけで。


もちろん、わたし自身が本をもっと読みたいと思っている事は大前提としながら、返事欲しさに本を読んだ感想を早く書き込みたいという気持ちは認めざるを得ない。



残り数十ページとなった本を読みながら、浮ついた気持ちを自覚した。