わたしはいつも凛と比べられてきて、その度に「澄はねぇ⋯」と残念がられてきた。

「澄も凛の様になりなさい」とわたし自身を否定された事もあったし、友達から「凛は可愛いのに澄はダサいよね」と笑われたこともあった。

澄と凛は違う。

それは当たり前のことなのに、双子だけど違う人間なんだから違うのは当たり前のことのはずなのに、周りはそれがいけない事の様にわたしを見下した。



だから、わたしは人が怖い。


わたしと凛を比べる人が怖い。

わたしという人間を否定する人が怖い。



だけど、人がわたしと凛を比較する理由もわたしという人間を否定する原因も全て自分にあるという事もちゃんとわかっている。


もともとの人見知りな性格と内向的な性格のせいで上手く人とコミュニケーションが取れないこと。

自分の気持ちや考えを人に話す事に気恥しさを感じてしまい自分の思っていることや主張を話せないこと。


それに加えてこの捻くれた陰湿な性格。


誰からも愛されるキャラの凛と比べられるのは仕方無いことなのかもしれない。



だけどやっぱり、比べられたくないという気持ちもあって⋯、比べられて笑われるならわたしなんて誰の目にも映りたくないって塞ぎ込んでまた比べられて─────。まさに、悪循環だ。