「今日は自分の気持ち生理させて、明日橘先輩に謝りなよ?」
「っ」
「なんかわたしが引っ掻き回しちゃった感も否めないけど、お姉ちゃんも橘先輩に言いたい事があるでしょ?」
「ある、けど⋯」
「橘先輩もお姉ちゃんに言いたい事があると思うよ」
「⋯っ」
「お姉ちゃんが楽しそうなのって、お姉ちゃんの世界が輝いたからじゃん。そうしたくれたのは橘先輩なんだから、お礼くらい言いなよ」
ツン、と肘でわたしの体を小突いた凛の表情は何だかとても楽しそうで。
「お姉ちゃんにも春、かな」
「っ、は?」
「いや、お姉ちゃんは春というより青春って方が似合うね。お姉ちゃん青色が好きだし」
「っ」
「それはきっと恋だよ、まだまだ出来たばかりの青い恋」
「なにを勝手なこと⋯、」
「ふふっ」
わざとらしく口元に手を当てて笑う凛にわたしの頭の中は大混乱を極めている。
だって、恋って⋯、恋って⋯!
わたしが?知春先輩に!?
意識しと事なんてなかったし自覚した事なんてあるはずもないけれど、もしも、わたしが先輩に対して抱いている想いが恋なのだとしたら、腑に落ちるというか⋯。
妙にストンと心に落ち着いて納得出来る。
先輩の大切なものをわたしも大切にしたい。
夢を応援したいし、隣でその横顔を眺めていたい。
たくさん話を聞いて欲しいし、話をして欲しい。
一緒にいると楽しくて、いつだって会いたくて。
先輩と見る世界は煌めいていて────。
先輩の世界に触れてみたいし、先輩にならわたしの世界に触れて欲しい。
これが恋ってやつなら、広大の時とはまた少し違った感覚だけどこれもわたしが大人になった証なのかもしれない。
これも確かに、恋なのかもしれない。



