きっと、そんな事も広大はお見通しなのだろう。
「澄を好なの、マジで辛かった」
そう言って笑う広大の顔は今にも泣き出しそうだったから。
「ごめん、広大。ごめんなさい」
「⋯澄が謝ることじゃねぇだろ」
「っごめんなさい」
「⋯だから謝んなって」
広大への想いを自分を守る盾に利用して、広大自身に向き合っていなかったのはわたしの方だ。
誰かとわかり合いたくて、人を好きになりたくて、だけど自分に自信のないわたしには傷つく未来が見えていて。
だからもうとっくに覚悟を出来ている一番身近な存在である広大を好きだと錯覚した。
そうすれば深い傷を負うことなく諦められるから。
だけど─────、
「わたし、広大のこと本当に好きだったよ」
「⋯っ」
「好き、だった⋯」
広大に対する想いが最初から歪んでいたわけではない。
好きにったキッカケなんてもう思い出せないけれど、純粋に惹かれ恋をしていたはじまりは、嘘なんかじゃなかったはずだ。
「⋯そーかよ」
「うん」
虚をつかれた広大は目を丸くした後、困った様に、呆れた様に眉を下げて笑う。
「ま、今更だな。お互い」
「うん。でも、ありがとう」
「⋯」
「ありがとう、広大」
同情心なんかで一緒にいたわけではない。
BBQの時もそうだ。
広大はわたしが一人なのが可哀想で一緒にいてくれたのではなく、わたしの事が好きだったからかもしれない。それは単純な優しさと愛情だったのだ。
それなのに一度でもそれを同情心からだと口にしてしまった自分が酷く残酷に思えた。



