キミと世界が青めくとき 【完】




暫くの間、何を言われたのか理解出来なかった。



「好き⋯?」



理解出来ないまま発した声。

もちろん、好きにも色々種類はある。

家族や友達としての好きと、恋愛対象としての好き。広大が前者の意味でそう言った可能性はある。しかし、今の感じからしてどうも後者の可能性の方が大きいような─────?



「小さい頃からずっと澄が好きだったんだよ」

「⋯⋯は?」



理解出来ないまま更にもう一度告白をされたわたしの頭の中はもうパンク寸前で。

きっと、間抜けな顔をしていたと思う。

それでも広大は笑う事も茶化す事もせず、言葉を続けていく。



「意識すればする程どう接していいのか分かんなくて、澄は凛みたいにノリで話すタイプでもないし⋯。それに澄が俺に興味がないのは薄々気付いてたから余計に苛立つっていうか遣る瀬無くて、冷たい態度で接してた」

「⋯」

「つまりガキだったんだよ」

「⋯広大⋯」

「だから澄が可哀想だからとか思ったりしてるわけじゃない。好きだから一緒に居たいと思ってた」

「⋯っ」

「俺の方こそごめん」



もう、何が何だかわからなかった。

広大の口から発せられる言葉たちはわたしの理解の範疇を超えていて、言われている言葉がわたしに向けられたものだなんて到底思えなかった。

だけど間違いなく、誤魔化しようがないくらいにそれはわたしに向けられたもので。広大の真っ直ぐな瞳が心地悪いくらいに突き刺さる。

その真っ直ぐさは心地悪いけれど、だからといって嫌なわけではなかった。



「いつから⋯?」

「いつからって?」

「わたしを好きっていつからなの⋯?」

「覚えてねぇけど、小学校くらいじゃねぇの」



そんな素振り一度だって見せた事ないじゃん。

そう思ったけれどそれは当たり前なのかもしれない。

広大は好きだからこそ、わたしへの接し方がわからなくて、ぶっきらぼうな態度を取っていたのだから。


広大がわたしを好きだったなんて信じられないけど、嘘だって思ったわけじゃなかった。


さっきも言ったように、わたしを嫌だと思っていたなら幼なじみだろうと距離を取る事は出来たはずで、それをしなかったのは広大は少なからずわたしを受け入れてくれていたという事。

広く言ってしまえば、好きでいてくれたという事。それが人としてか、恋愛対象としてかの違いだけだ。