「俺は澄のことを恥ずかしいとか、可哀想だとか思ったことねぇよ」
ポツリと零れた広大の言葉はどこまでも温かくてわたしの心に真っ直ぐに届いた。
「お前が一人だからとか、可哀想だからとかっていう理由で一緒にいたわけじゃない」
「うん」
「馬鹿になんてしてねぇし見下してなんかない」
「うん、」
「だから昨日澄に言われた時、すげー腹が立ったしショックだった。違えのにって⋯」
「っごめん、」
「でもそれ以上に自分自身に腹が立った」
何かを堪えるようにゆっくりと言葉を紡いでいく広大はギュッと手のひらを強く握りしめる。
「澄にそう思わせてんだって思ったら自分が情けなかった」
「っ」
「でも澄がそうなるのも仕方ねぇよな。俺はそういう態度を澄に対してしてた訳だし。お前が本を読んでる事を暗いって言った事もあった」
「⋯」
「だけどそれは見下してるとかじゃなくて、澄なら許してくれるだろうって甘えてた。多少強い言葉を言っても気にしないんだって勝手に決めつけてたんだ」
広大はそう言って一度言葉を止める。
そしてゆっくりと息を吐いた後、真っ直ぐわたしを見つめ──────、
「─────⋯⋯好きだったから」



