キミと世界が青めくとき 【完】





「──────知春先輩、」

「ん?」



隣に座る先輩に一つ、聞きたい事がある。



「─────あの、」



だけどそれを言おうとしたタイミングで運悪く昼休みの終わりを告げる予鈴のチャイムが鳴ってしまった。



「どうした?」

「⋯栞、ありがとうございました。他にも色々話を聞いていただいて⋯、」



きっとわたしが話を続けようと思えば先輩は聞いてきれる気がする。だけど先輩に授業をサボらせる訳にはいかないし、だからといって本令のチャイムが鳴る五分間の中で焦ってする話でもなくて。


だからわたしはお弁当箱を片付けて、栞を手にして立ち上がりお礼を告げた。


先輩がわたしが本当に言おうとした事がそれてわはない事に気付いたのか気付いていないのかはわからない。

だけどきっと、先程先輩が口にしたあの言葉は─────。




無意識なのだろう。





「お昼もご一緒していただけて楽しかったです」

「うん。俺も楽しかった。また一緒に食べような」

「はい。⋯では、失礼します」



わたしはこの時、ある一つの可能性に気付いてしまい、ドキドキする胸を抑える事で精一杯だった。


でも今はそれよりも、先輩にそれを確かめるよりも前にしなければならない事がある。

広大に謝らなくちゃ⋯。


そう思いながら予鈴が鳴っているというのにのんびりとしている先輩に一礼をして、教室へと急いだ。