キミと世界が青めくとき 【完】





言いたいことは言えたと思うのに、どうしてこんなに胸が痛むんだろう。

どうして広大の悲しそうな顔も先輩の笑顔も頭から離れないんだろう。


ツンと鼻の奥が痛くなって、ポッカり心に穴が空いた気がした。


広大の言葉なんて信じないし、先輩はそんな人じゃないって断言出来る。

だけどそれとは別の次元でわたしは広大の言葉を否定してしまう事が悲しかった。


広大のことで傷付けられたり、悲しい思いをした事もあったけれど凛がわたしの妹である事はこの先ずっと変わらない様に、広大がわたしの幼なじみであるという事は変えようのない事実だ。

ずっと小さい頃から一緒に過ごして、恋をして⋯そんな広大の言葉を信じられない事が悲しかった。

信じれば自分が傷付くからとか、そういう防御本能からではなく、ただ単に先輩がそんな人とは思えなかった。
広大より知春先輩を信じたいって思ってしまった。


先輩より広大と過ごした時間の方が長いのに。



わたしを馬鹿にしているって、可哀想だから一緒に居てくれたのは広大の方なんじゃないのって、それ口に出してしまえばそれが本当になってしまう気がしてずっと言えなかった。

言えなかった言葉を口に出してしまった以上、ガラガラと今まで歪な形ながら積み上げていた広大との絆が壊れた気がした。