キミと世界が青めくとき 【完】






「朝からそんな事を言いたかったの?」



温度のない瞳が交ざりあう。

まさか凛ではなく広大にここまで言われるとは正直思っていなかった。

想像していたよりも酷い言葉に混乱さえしている。



「広大は先輩の何を知ってるわけ」

「⋯は?」

「先輩が広大にそう言ったの?違うでしょ?ただの妄想を聞かされても困るだけなんだけど」

「っ俺はお前を心配してんだろ!?」

「心配って何?友達のいなかったわたしにやっと友達が出来て、それがわたしとは正反対に明るい人だから後々裏切られるんじゃないかって心配?」

「っ澄と先輩じゃキャラが違い過ぎんだろ⋯」

「先輩が一人ぼっちのわたしを哀れんでいるだけだから絶交した方がいいって?」

「⋯っ」

「騙されてるとは言わねーけど、おかし過ぎんだろ。⋯なんでわざわざ澄と⋯、興味本位かボランティア精神だとしか思えねーよ」



怒りさえ滲ませた表情でわたしを強く見つめる広大の声は怒っているはずなのに苦しそうだった。

だけどそれに気付いて寄り添えるほど、今は冷静ではいられなかった。



「⋯⋯知春先輩は、」

「⋯あ?」

「知春先輩は、可哀想だからとか、ボランティア精神とかで人と接する様な人じゃないよ」

「⋯っ」

「わたしだってどうして最初話かけてくれたのか今でもわからない。だけど先輩と過ごしているとそんな事一瞬だって思わない」



どうしてわたしなんかと仲良くしてくれるんだろう?と思ってもそこに同情心とかは感じない。

きっと先輩に見えている世界は優しくて彩り豊かで、広大の言うように正義感の強い人なんだろうと思う。

だけど人を上から目線で可哀想と思ったりはしない。

ましてやボランティア精神なんかで人の心を弄んだりしない。


先輩は優しいけれど偽善的ではないから。