「こっちはわたし達の幼なじみの広大です」
凛が広大を紹介して、広大が「初めまして」と会釈する。
せっかく、わたしだけを見てくれる人が現れたのに。
せっかく、凛を知らない人が現れたのに。
こうやって凛はどんどんと先輩をわたしから取り上げていく。
─────怖くなった。
先輩に凛を知られてしまう事が。
先輩もわたしと凛を比べて正反対だなって思うかもしれないし、可愛くて明るい凛と地味で暗いわたしを比べてなんでこんなのと仲良くしていたんだろうって後悔するかもしれない。
そんなの耐えられないと思った。
今まで比べられる事にも蔑まされる事にも慣れたと思っていたけれど、先輩に比べられる事は絶対に嫌だと思った。
離れて行かないで欲しい。
そう思ったのはきっと、まっさらなわたしを先輩が見つけてくれたからだ。
一人ぼっちの世界に先輩が光を差してくれたからだ。



