キミと世界が青めくとき 【完】




この後どうしよっかと言う先輩に、出来ることならもう少し一緒にいたいと思ってしまったわたしは自分の中で知春先輩という存在が特別なものになっている事に気付いていた。



その特別が友達としてなのか、はたまたもっと違う意味でなのかはわからなかった。


何にせよ、先輩はわたしの中で特別な存在。ただそれだけだった。



だから「少しお茶でもしませんか」と勇気を出して誘ってみようと、映画館を出る寸前に開きかけた唇。

それなのに、せっかく勇気を持ったその行為はすぐ後ろから聞こえてきた「澄────?」というわたしを呼ぶ声に掻き消されてしまった。




なんで、ここにいるの。


なんで、話し掛けるの。


なんで、気付いてしまうの。




「やっぱり澄だ!」



振り返った先、にこにこと笑う凛とその隣に立つ広大にわたしは今すぐにこの場から逃げ出したくなった。


先輩といる時にどうして会ってしまうんだろうって。これが偶然ならこんな偶然クソ喰らえだって思わずにはいられなかった。