「──────これ、」
「どうせなら最後に全部見せたいなって思って」
「⋯じっくり見てもいいですか?」
「もちろんどうぞ」
テーブルいっぱいに広げられた写真には、先輩の友達だろうか、数人の男の人の写真がある。
それは後ろから友達を映したものだったり、ドアップのカメラ目線だったり、完全にふざけた変顔だったりと様々で、だけど写真に写っている人達は皆、笑っていて楽しそう。
人物以外にも花火の写真や、青々しい木々の写真、見たこともない町の写真だったり、何の変哲もない坂道の写真だったり、真っ白い雲の写真がある。
「これ、全部先輩が撮ったんですか?」
「うん。夏休み中は毎日どっかしら行ってた」
「毎日?」
「電車で遠くの方の町まで行ったり」
「写真を撮るために?」
「そうそう」
楽しかった、と写真を見る先輩が呟いて、その表情で先輩の高校最後の夏休みは充実したものだったのだと察した。
「あ、これ⋯」
テーブルに並べられた写真の中には、一人の白髪のお爺さんの写真もあって。
「それ俺のじいちゃん。なかなかのイケメンだろ?」
「⋯はい」
日本人ではない顔立ちのこの男性は先輩が前に言っていた外国人のお爺様なのだとわかった。
縁側に座り、白くてフサフサな眉を寄せてこちら⋯カメラの方を見ているお爺様の瞳の色は先輩と同じ淡いブラウンで、その顔立ちもどこか先輩に似ている様な気がした。



