キミと世界が青めくとき 【完】




「澄は夏休み何が一番楽しかった?」

「一番、ですか?」

「うん、何が楽しかった?」



その質問に、夏休み中の事を思い返す。


その殆どは図書館で過ごした時間だったけれど、その殆ど以外の時間は全て知春先輩との思い出ばかりで。BBQの事なんて、こうして夏休みを振り返らなかったらすっかり忘れていた。



「一番は⋯、決められないです」

「だよね。俺も」

「でも⋯、」

「うん?」

「こうしてご飯食べた事も、水族館に行った事もひまわり畑に行った事も、全部楽しかったけど、やっぱり海は⋯特別楽しかった気がします」

「⋯⋯そうだな」



夏休み前から先輩と約束して、一時は冗談だったんだと諦めて、だけど先輩はちゃんと約束通り海に連れて行ってくれて。


そこで見た青い海は、今でも鮮明に思い出す事が出来る。


オレンジ色の太陽の道も。



「そうだ、今日はこれを澄に渡したくて誘ったんだった」



そうしてあの日の景色を思い浮かべていると、先輩が分厚い茶封筒をカバンから取り出してテーブルの上に置いた。



「⋯これは?」



その中身が何なのか予想がつかなくて首を傾げるわたしに先輩は楽しそうに笑う。




「これはー、思い出」

「思い出?」

「そ。俺とキミの思い出」



そう言って封筒の中身をテーブルの上に出されたのは、先輩が夏休みの間に撮った何枚もの写真。