手のひらサイズの青いイルカのぬいぐるみはつぶらな瞳が可愛くて、お土産コーナーでつい見てしまっていたものだった。
「⋯どうして、これを?」
「お土産の所で欲しそうに見てたから。サプライズプレゼントってやつ?」
「わたしにですか⋯?」
「キミ以外に誰がいんの?」
夜の駅まで、ケラケラ笑う先輩にわたしはイルカのぬいぐるみを大切に抱きしめる様にして撫でた。
わたしが欲しがっていた事に気付いていてくれていたなんてビックリだし、こうしてプレゼントしてくれた事が嬉しい。
それに⋯、このイルカのぬいぐるみは色違いのものが五色くらいあったのにその中からわたしが欲しいと思った青色を選んでくれた事も堪らなく嬉しかった。
海や水族館というイメージから青を選んだのかもしれないし、イルカといえば青というイメージで無難な色を選んだのかもしれない。
だけど横にあったピンクや黄色ではなくこの青色を選んでプレゼントしてくれた事が、本当に嬉しかったんだ。
「ありがとうございます。嬉しいです」
「どういたしまして」
「大切にします」
これが、夏休み終盤の出来事。



