写真を撮る先輩と、海を眺めるわたし。
暫く気ままに過ごしていると当たりはほんのりと色づき、黄色から焼けるようなオレンジになっていく。
「あそこ座れるから座ろう」
先輩に言われるがまま、防波堤の方へと向かう。
そこに座った先輩の隣にわたしも腰を下ろして、大分地上に近づいた太陽を見つめた。
といっても実際に太陽が地上に近づいたわけではなく、水平線の向こうに沈む太陽が地上に近づいている様に見えるという事だ。
「海も夕日に染まっていきますね」
「これはこれで綺麗じゃない?」
「⋯そうですね」
昼間の青い海も綺麗だったけど、こうしてオレンジ色に染まっている海も素直に綺麗だと思う。
まるで道の様に沈みゆく太陽の光が海に出来上がって、それは幻想的ですらある。
だんだんと水平線の向こうに消えていく夕日を先輩は写真に収めていた。
陰と陽が作り出すカメラを構える先輩は楽しそうでもあり、とても真剣でもあり。
わたしは何故か、夕日よりもその先輩の姿に釘付けになっていた。
目が離せなかったというのもあるけれど正確には、目を離したくないと思ったんだ。



