澄と凛
わたしが澄で妹が凛。
双子のわたし達は、見た目はそっくりに性格は正反対に生まれてきた。
内向的で人見知りが激しく、自分を主張出来ない姉のわたしとは対照的に明るくて誰とでも仲良くなれる妹の凛。
両親にも学校の先生にも、大人しく暗い澄より愛嬌があっていつもニコニコしている凛の方が可愛がられるのは当たり前だった。
両親から愛されていないわけじゃない。だけどどうしたって凛との差を感じずに過ごす事は不可能だった。
色違いの誕生日プレゼントはいつも凛から選ぶ。
夕飯のリクエストも凛と意見が違ったら採用されるのは凛の方。
テストで100点を取って褒められても素直に喜べないわたしと80点でも褒められるととびきり可愛い笑顔で喜ぶ凛。
かわいくない子どもは、わたしの方。
子どもへの愛情に差があるはずはないと信じていたのはもうずっと前の事だ。