「あぁ……確かにそんなのもあったな。」

 あぁもう、私何やってんの。

 自分で爆弾を落とすなんて、馬鹿としか言いようがない。

 だけど意識とは反して、口は勝手に言葉を紡ぐ。

「どうせやひは今年もたくさんもらうんだろうな~。今年も消費、頑張ってね。」

「茉優、思い出させないでくれ。もうチョコ嫌いになりそうだから。」

「あははっ、やひが弱気なの面白い。」

「からかうなって。」

 からかってる……わけじゃない。

 これはどうしようもない、当てようのない嫉妬。

 やひにそんな事言えるわけなく、乾いた笑みと共に吐き出す。

 でもこの笑みも、自嘲なんだろう。

 そう考えると、気持ちが重たくなる。

 鉛のように重たくなって気持ち悪くなって、どうしようもなく泣きたくなる。

 結局私はその後もやひをからかい、気持ちを強引に押し込めていた。