「……当たり前じゃん。やひの為に作ったんだから。」

「さんきゅーな。」

 言葉はいつもと同じで、変わらないのに。

 その中に愛があると言うだけで、いつもと違う気がした。

「茉優、改めて言う。俺と付き合ってくれ。」

「……もちろんっ。こちらこそ、よろしくね。」

 そんな言葉を、軽く交わす。

 これまでは、苦かったバレンタイン。

 だけど今日は、きっとこれからのバレンタインは、甘いものに変わるんだろう。

「誰よりも好きだ。」

 甘くとろけそうな、やひの声。

 優しい力で再び抱き寄せられ、私には甘すぎて溶けそうなキスが降ってきた。

【FIN】