……上手くできてると、いいけど。

 いつもそこまで気にしないのに、告白があると思うと緊張して仕方がない。

「……宿題、しとこ。」

 固まるまでの一時間、ぼーっとするのも癪だし宿題しておこう。

 そういった結論に至った私は、キッチンから離れて宿題をする事にした。



 宿題を始めて丁度一時間くらい経った頃、ピピピピッ……といった音がキッチンから聞こえた。

 ……もう、固まってるかな。

 一時間後に鳴るタイマーをセットしてなかったら、ずっと宿題してたかもなぁ……。

 妙に考えてしまうから、時間が過ぎるのも早い。

 そのまま私は宿題をしまい、キッチンへと再び向かう。

 冷蔵庫の奥に入れた、固まっているであろうチョコを恐る恐る取り出す。

 ……あ、意外と固まってる。

 案外簡単にすぐ固まるんだな、なんて思いながらテーブルに置く。

 その後、私は緊張しながら白のチョコペンを握った。

 ……とうとう、来てしまった。

 今までのチョコと同じにできない。だから今年は……。

「“For やひ”……って書けばいいよね。」