ぼんやり、そんな考え事をしながらチョコを混ぜ合わせる。

 今回は単純作業が多いから、つい考え込んでしまう。

 生クリームや別のチョコも入れて、ヘラで混ぜる。

 その間にも、私は惜しむ事なく考え事をしていた。

 やひが好きになる子って、どんな子だろう……。

 やっぱり女の子らしい可愛い子? それとも、大人っぽい女性?

 少しずれた感性を持ってる子か、メンヘラチックな子もありだったりするのかな……。

 でも、どう踏んでも私はやひの恋愛対象にはなれないだろうな。

 良いところもないし、突出した何かがあるわけでもない平凡女子。

 愛想もあるわけじゃないし、関わりたくない人種だったりするんだろう。

 ……そんな私に恋なんて、できるはずないよね。

 うーんと何度も同じ考え事をしてしまい、はっと我に返る。

「……あ。」

 その時にはもう、チョコは冷やす工程だけしか残っていなかった。

 やひが帰ってくるのは、あと一時間半くらい。

 チョコは早くて一時間で固まるから、きっとそれまでには固まっているはず。