やっぱり、昨日ので警戒されてるか……。

　昨日の自分に何をやっているんだと、殴りたい衝動に駆られる。

　でもその前に、茉優にちゃんと謝っとかないと。

　俺のせいで、怖がらせてしまったし。

「なぁ、茉優。」

「……何？」

　いつも茉優は素っ気ないけど、今日はいつにも増して素っ気ないと思う。

　その原因が俺だと思うと、チクリと心が痛んだ。

　……ほんと、馬鹿だよな俺。

　心のどこかでそんな感情を抱くも、しっかり言葉を口に出す。

「……昨日は、ごめん。」

「えっ……？」

　思ったよりも、俺の言葉はか細いものだった。

　それでも茉優には聞こえたらしく、拍子抜けしたと言わんばかりに目を見開いている。

　一つにまとめている髪も、ビクッと震えたのが目視できた。

　だけど、逆に茉優のほうが申し訳ないといった表情をした。

「あ、いや……別に気にしてないから。私こそ、ごめん。」

　気にしてない……って、絶対嘘だ。

　何年一緒に居ると思ってんだ。茉優の変化くらい、すぐ分かる。