今年もチョコ、茉優から貰えるかな……。

 他の女子からのものは要らないけど、茉優からのだけは絶対に欲しい。

 茉優にとっては、多分いいとこで義理なんだろうけど……。

「そっか……あと二日でバレンタインか……。」

「忘れてたの? 帰る時私バレンタインの話題振ったのに。」

「興味があるわけでもないから、気にしてないだけ。俺にとっては、苦痛でしかないしさ。」

 最悪、なくなってしまえと思う。

 茉優からのチョコが貰えなくなるのは惜しすぎるが、このウザい行事がなくなるのなら何でもない。

 悪態を吐くように言うと、茉優は呆れたような息を吐いた。

「それ、やひのこと好きな女子が聞いたら泣くよ?」

「別に泣かれても、俺にはどうする事もできないし。」

「まぁ、そうだけどさ……。」

 誰が泣こうが、こっちには関係ない。

 ……なんて考え方が、ダメなんだろうけど。

 まぁ要約すると……バレンタインは俺にとって最悪な行事、だと言う事。

 毎年消費できるか分からないくらいのチョコを貰ってしまい、どうすればいいか分からなくなってくる。