……あげて、玉砕する自信しかない。

 私なんか、私じゃ……って、嫌な方向ばかり思考が進む。

 やひは私のこと、どう思っているんだろうか。

 少しでも、女の子として見てくれてるのなら……可能性が、あるはず。

 ……ううん、くよくよしてもどうにもならないよね。

「葉月、一緒にチョコ探そっ!」

「もちろんっ……!」

 よし、こうなればもうヤケだ。

 去年とは比べ物にならないくらい、気持ちが伝わってしまうくらいのチョコ作ろう!

 それで、あわよくば……。

「千代河君に気持ち、伝わるといいね。」

「……そっちこそ。」

「ふふっ、そうだねっ。」

 何度葉月に背中を押してもらったんだろう。もう数えきれない。

 その言葉を聞き、私はふっと口角を上げて前を向いた。

 ……多分振られるの前提だけど、今年はとびきり美味しいチョコを作ろう。