情けなく零れた言葉に、一人で悪態を吐く。

「茉優ちゃん、そんなわけないよ。」

　すると、直後に葉月のまっすぐな声が聞こえてきた。

　そんなわけ、ない……？

　いや、それこそそんなわけ……。

　意味を尋ねようと口を動かせど、葉月に先を越されてしまう。

「例え伝わらないとしても、こういうのは気持ちが大事だよ。それに、千代河君も嬉しいと思うよ。茉優ちゃんに貰えたら。」

「や、やひは私からのなんて、要らないと思うよっ……。他の女子のも鬱陶しがってたし……。」

「……茉優ちゃん。」

　言い訳ばかりしてしまう私に痺れを切らしたのか、真剣な葉月の声が聞こえる。

　その声に、ビクッと肩を震わせる。

　それと同じタイミングで、葉月が静かに話し出した。

「茉優ちゃんが、千代河君にあげなくて後悔しないのならいいよ。だけど今の茉優ちゃんを見ると……後悔してるようにしか、私には見えない。」

「……っ、は、づき。」

　私の声が届かなかったのか、真剣な表情で私を見据える葉月。

　葉月、こんな表情もできたんだ……。