でも私には、そんな事できない。ひねくれてるから。

「私は、絶対にやひに振り向いてもらえないよ。」

「え?」

 チョコを真剣に選んでいる葉月に、静かにそう言う。

 私の突然の言葉に驚いた葉月の表情は、意味が分かっていない様子。

 それを気にせずに私は、自分の胸の内を吐いた。

「私は可愛くないし女子っぽくもないし、葉月みたいに愛嬌があるわけでもない。それに加えて、やひとはずっと一緒に居るから恋愛対象として見られない。それが分かってるから、渡したくないんだ。」

 振られるって、分かってるから。

 傷つきたくないから、言われたくないから。

 臆病だって言われるだろうけど、私だってなりたくて臆病になってるわけじゃない。

 自嘲するように乾いた笑みを零す。

 だけど、私の心はもう泣きそうだった。

 自分で言った言葉に、凄く傷ついていた。

 いつもやひに、馬鹿と思う。

 でも、私も大概馬鹿なのかもしれない。

 自分で思って自分で傷ついて……もう、どうすればいいか分からない。