葉月、どこにそんな力が……。

 私が知る限り、葉月は握力が一桁……だったはず。

 いや、私の知らない間に握力を鍛えたのかもしれない。

 多分違うだろうなぁ……なんて考えながらも、私はとりあえず葉月についていく事にした。



 葉月に強引に連れてこられたのは、市内でも大きなショッピングモール。

 買い物だって言ってたから、おかしくはないか……。

 そう思いながら、葉月に引きずられるようにして連れていかれる。

「じゃあ初めに、チョコレート見よっか?」

「ねぇ、帰っちゃだ――」

「ダメだよっ! 茉優ちゃんにもチョコレート買ってもらいます!」

「え、えぇっ……。」

 私、買うつもりなんかないんだけど……。

 そう言った気持ちを込めて、葉月に視線を向ける。

 でも葉月は知ってか知らずか、いつもの可愛い笑みで私を見つめ返してきた。

「ふふっ、今日は茉優ちゃんのお願いでも聞いてあげないっ。ほら、行くよ~!」

「葉月っ、引っ張らないでってば……!」

 これは……口答えしてもきっと聞いてくれないパターンだ。