やっぱり今日は部活があるらしく、ホームルームが終わると同時に部活に向かったやひ。

「茉優は買い物に行くんだろ? 気を付けて行けよな。」

「はいはい。やひ、部活頑張ってね。」

「さんきゅ。」

 ……はぁ、やひの馬鹿。

 その言葉と笑顔一つで、私がどれだけドキドキしてるか知らないくせに。

 そんな事を全く知らないやひに、少しの苛立ちが立つ。

 こう思っても、何かが変わるわけじゃないのに。

 ぼーっとしてやひの背中を見届けていると、待機していたらしい葉月に声をかけられた。

「茉優ちゃん、そろそろ行こっか?」

「……やっぱり、行くの?」

「もちろんっ! 拒否権はないって言ったよねっ?」

「……は、はい。」

 やっぱりいつもの葉月じゃない……熱が、凄い。

 葉月に気圧され、うっと言葉を詰まらせながらも渋々了承する。

 私の返事を聞いて満足したらしい葉月は、可愛らしく満面の笑みを咲かせた。

「よしっ、それじゃあ行こうっ!」

「は、葉月押さないでっ……わっ!」

 葉月に勢いよく腕を引かれ、よろけそうになる。